はじめに — シリコンって本当に悪いの?
世の中では「ノンシリコン推し」が根強くて、シリコン=悪というイメージがあるよね。でも結論から言うと**「シリコン自体に善悪はない」**。使う目的、配合量、分子量(落ちやすさ)、その他成分との組み合わせで“良いシリコン”にも“使い方を誤ると問題になるシリコン”にもなる。この記事では美容師目線でシリコンを、どう選び・どう使うかを徹底解説します。
シリコンの基本:種類と性質

シリコン(シリコーン)は大きく分けると以下のタイプがあるよ。性質が違うから“何が髪に残りやすいか/落ちやすいか”が変わる。
- 揮発性シリコーン(例:ジメチコーンメチコン、シクロメチコン等)
→ 揮発して残留が少ない。軽い手触り、スタイリング剤で多用。 - 非揮発性シリコーン(油性)(例:ジメチコン、フェニルトリメチコン等)
→ 髪に長く残る。滑り・艶付与に優れるが、洗浄力が弱いと残留しやすい。 - 水溶性/帯電修飾シリコーン(例:ジメチコンコポリオール、PEG変性シリコーン等)
→ 流しやすくし、残留問題を緩和するタイプ。トリートメントや洗い流す系で重宝。 - 高分子シリコーン(被膜形成型)
→ 表面被膜を作り、熱ダメージや摩擦を軽減。ブローやアイロン合わせで便利。
良いシリコン vs 悪いシリコン — 見分け方
「悪いシリコン」と呼ばれる条件は実は単純。
良いシリコンの特徴
- 髪に艶を出しつつ、適度に洗い流せる(分子設計 or 水溶性がある)
- 他の保湿・補修成分とバランスが良い(シリコンが補修成分の作用を邪魔しない)
- 低刺激・変色しにくい(カラーへの影響が少ない)
- 用途に応じた分子量・揮発性を採用している(スタイリング用は軽め、トリートメントは被膜性高め)
問題になりやすい(=悪い)シリコンの特徴
- 洗浄だけでは落ちにくい高分子の油性シリコーンが大量配合されている
- 製品全体の洗浄・処方バランスが悪く、結果的に「べたつき」「重さ」「残留」を感じさせる
- 補修成分やCMC、アミノ酸等との相性が考慮されていない(被膜で内部補修剤の浸透を妨げる)
チェックポイント(ラベルで見分ける)
- 成分表で「PEG/水溶性」表示の有無
- ジメチコン等の表記が先の方=配合量が多め
- トリートメントなのか洗い流さないミルクなのか、用途が合っているか
シリコンのメリット(美容師目線・メーカー目線)
美容師目線
- 即効で「艶」「指通り」「まとまり」を出せるから、施術直後の仕上がり満足度を上げやすい。
- アイロンやブローによる摩擦ダメージを抑え、熱の侵入での乾燥を軽減する被膜効果がある。
メーカー目線
- 製品の仕上がりを安定させやすく、消費者から見た「効いた感」を演出しやすい。
- 安定性・保存性が良く、他成分との相性調整で多用途に使える。
- 被膜によるUVカット効果や水分蒸散の抑制で、複合的な保護設計が可能。
シリコンのデメリットと誤解されやすい点
- 残留=悪影響という単純な式は誤り。適切に設計されたシリコンは残留しにくいし、残っても外観と手触りを良くする。
- 残留が問題になるケース:ホームケアで過度に油性感の強い製品だけを重ね使い→蓄積→重さ・べたつき・シャンプーでは落としにくくなる。
- カラーへの影響:一部の油性シリコーンはカラーの入りに影響する可能性がある(特に直前の処理で残留があるとムラの原因に)。施術前はクレンジングが重要。
- “ノンシリコン=安全”の誤解:ノンシリコンでも被膜を作る他の合成ポリマーや油剤が入っている場合、似たような挙動を示すこともある。
ノンシリコンシャンプーとの比較
- ノンシリコンの良い点
- 軽い仕上がりになりやすく、油性の残留を嫌う人に合う。
- ボリュームを出したい人にはメリット。
- ノンシリコンの注意点
- ノンシリコン=保湿や艶が出るとは限らない(むしろ指通りが悪いことも)。
- シリコン不使用を謳うために、代わりのポリマーで同様の効果を出している商品もある。
結論:ノンシリコンか否かで良し悪しを決めるのではなく、**“製剤全体(洗浄性・補修成分・pH・界面活性剤の種類)”**で判断するのが正解。
髪質改善・縮毛矯正の現場でのシリコンの使い方
- 施術前:カラーや矯正の前は、被膜性の高い油性シリコーンが残っていると薬剤の浸透を阻害することがある。施術前のクレンジングシャンプーまたは低残留処方でオフする。
- 中間処理:シリコンは内部補修を補うものではなく「表面保護」。中間工程では内部補修(ケラチン、アミノ酸、CMC)を優先。シリコンは最後に軽く入れて手触りと艶を演出。
- アフター(ホームケア指導):縮毛矯正・髪質改善後は、しっかり落とせるが艶を守る「洗浄バランスの取れたシャンプー」と、水溶性シリコンや帯電修飾シリコン入りの洗い流すトリートメントを推奨すると持ちが良い。
どんな商品に配合されていると良いか(製品設計の観点)
- 日常使いのシャンプー:低〜中レベルの油性シリコーン+洗浄力のバランスがとれた界面活性剤。ノンシリコンなら代替ポリマーの挙動をチェック。
- 洗い流すトリートメント:被膜性があるが水溶性・分散性の高いシリコン(落ちやすく残留しにくいもの)+内部補修成分(低分子ケラチン、アミノ酸)。
- 洗い流さないトリートメント/スタイリング剤:揮発性シリコーン+耐熱性シリコンのブレンド。熱保護と軽い仕上がりを両立。
- プロ用前処理剤:内部補修を最優先。シリコンは最小にして、施術後の仕上げ剤で艶付けする。
家庭での実践アドバイス:どう使えば美髪になるか
- 用途に合わせた製品を使う:ドライヤー前は熱保護のある洗い流さないトリートメント、日常シャンプーは洗浄バランス重視。
- 週に1回はクレンジングorディープクレンジング:油性感が気になる人は蓄積を防ぐ。
- トリートメントは内部補修系を優先:シリコンは“仕上げ”として使うと効果的。
- カラー施術前は軽めのクレンジングを:薬剤の浸透を邪魔しないように。
- ラベルの見方を覚える:「ジメチコン」「フェニルトリメチコン」は被膜性、「PEG」や「水溶性」と書いてあれば落ちやすさのヒントになる。
商品選びの具体例(チェックリスト)
- 髪に艶がほしい ⇒ 水溶性シリコーン+低分子ケラチン配合のトリートメント
- ボリュームが欲しい ⇒ ノンシリコンor低被膜シリコーンで軽い仕上がりのシャンプー
- 縮毛矯正後 ⇒ 内部補修成分がしっかり入っている製品を優先、シリコンは軽めに
- カラーの発色を優先 ⇒ 施術前に残留がないか確認、被膜性高い製品は施術後に使う
よくある質問(Q&A)

Q1:シリコンが髪を“コーティングして呼吸を止める”って本当?
A:髪は皮膚のように呼吸するわけではないから大げさ。高残留が続くと手触りや薬剤の入りに影響する可能性はあるけど、適切な製品選びとケアで問題にならない。
Q2:ノンシリコンにすればツヤが出る?
A:ツヤは成分設計次第。ノンシリコンでもポリマーや油剤で艶を出すことは可能。成分表と使用感を優先して選ぶと良い。
Q3:敏感肌の場合シリコンは避けた方がいい?
A:シリコン自体は低アレルギー性のものが多いけど、ベースの界面活性剤や香料のほうが問題になりやすい。敏感肌なら刺激の少ない処方を選んでください。
まとめ — シリコンの正しい位置づけ
シリコンはツヤ・指通り・熱保護に有効な「道具」だよ。
ノンシリコンが流行ったのは「残留問題」が理由だけど、今は分子設計や水溶性改良でその弱点を克服している製品が増えてる。
髪質改善や縮毛矯正の現場では、内部補修を最優先にして、仕上げで適切なシリコンを使うのが最も理にかなってる。
最終的には「自分の髪質」「施術歴」「ライフスタイル」に合わせた製品選びが一番大事。
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